糖尿病
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尿中グリコアルブミン/血清中グリコアルブミン比による糖尿病性腎症の発症閾値に関する検討
前畑 英介井上 穣矢野 正生柴 輝男山門 実井上 健鈴木 晟時
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1997 年 40 巻 8 号 p. 531-537

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抄録

糖尿病性腎症の初期病変の早期診断には尿中アルブミン (以下, U-Alb) 測定が不可欠とされ, microalbuminuriaはアルブミン排泄指数で30mg/g. creat. 以上300mg/g. creat. 未満とされている. 今回, われわれは, 糖尿病性腎症の発症閾値を, 尿中グリコアルブミン/血清中グリコアルブミン比 (以下, GA比) において検討した.
GA比は健常者対照群11例 (61.5±3.5歳) では2.099±0.300に比し, normoalbuminuria群 (以下, Normo群), 14例 (60.4±3.6歳) では2.097±0.577, microalbuminuria群 (以下, Micro群), 15例 (59.1±9.7歳) では1.271±0。394, macroalbuminuria群 (以下, Macro群), 13例 (60.5±11.8歳) では0.950±0.075であった. Normo群からMacro群で, GA比は2.000前後から低下して1.000前後に収束することが判明した. このGA比が1.000付近の分布ラインとMicro群のGA比の多項式法で求めた回帰曲線と交叉した点はアルブミン排泄指数150mg/g. Creat. 前後であることも判明した.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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