sulfonylurea剤 (SU剤) 投与を対照群として, ボグリボースのインスリン抵抗性改善作用をa euglycemic hyperinsulinemic clamp (インスリンクランプ) を用い検討した. 対象はNIDDM患者18人でその治療内容はSU剤投与群6人, SU剤とボグリボース投与群9人, ボグリボース投与群3人である. 研究方法はこれらの薬剤を投薬し, HbA1cが8%以下に安定化した段階で第1回目のインスリンクランプを試行し, さらに約6カ月後に第2回目のインスリンクランプを試行した. この間, HbA1cを一定に保つように投薬量を増減し, Body Mass Index (BMI) と運動量が変化しないように診察ごとに担当医が確認した. M-値の変化量を外的基準にし, ボグリボースとSU剤の投薬の有無にそれぞれダミー変数を割り当てそれらを説明変数とし, 重回帰分析で分析した. その結果SU剤の影響を調整したボグリボースのM-値に対する寄与は有意 (p=0.0060) であり, ボグリボースの投薬によりインスリン抵抗性が改善していることが示された.