1998 年 41 巻 3 号 p. 159-163
山形県舟形町で行われた全住民を対象とした糖尿病検診 (1990~92年) において, 耐糖能障害 (IGT群) および糖尿病 (DM群) と診断されたものの糖尿病性細小血管障害および大血管障害を調査した. また, 同時期に山形大学医学部附属病院第三内科糖尿病外来を初診した患者を対照とし外来患者群とした. 網膜症は, IGT群で2.2%であるのに対し, DM群は7.1%と高い傾向にあり, 外来患者群では41.2%と高率だった. 微量アルブミン尿, 神経障害に関する検査項目も同様の傾向だった. 心電図の虚血性変化, 足血圧指数の低下などの大血管障害もIGT群よりDM群においてその有病率が高い傾向にあった. よって, 合併症予防のためには早期からの血糖管理が必要と考えられた.