糖尿病
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阪神大震災による外来通院糖尿病患者の糖尿病コントロール状態への影響とその悪化因子
古賀 正史久保 充橋本 淳
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1999 年 42 巻 1 号 p. 29-33

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抄録

阪神大震災は糖尿病患者のコントロール状態に対して多大な影響を与えた.今回震災による外来糖尿病患者のHbA1cに対する影響およびHbA1cの上昇に関与した因子の解析を行った.当院外来通院中の糖尿病患者で被災地に在住し, 震災前安定したコントロールであった者193名を対象とした.患者全体のHbA1cは震災後2ヵ月以降有意に上昇していた.震災後4ヵ月までのHbA1cのいすれかが震災前6ヵ月間のHbA1cのMean+2SDを越えたものを悪化例と定義したところ, 32%(61名) の症例が悪化例に該当した.ロジスティツク重回帰分析の結果, コントロールの悪化は年齢・性・震災前のHbA1c・家屋被害・震災後の運動療法・服薬状況・不眠の程度と無関係であり, 薬物療法の有無・震災後の食事療法の程度が関与していた.すなわち薬物療法を受けていた者あるいは震災後に食事療法ができなかった症例ほど震災後のコントロ- ルは不良となった.さらに震災後食事療法が不十分, 不良の群のHbA1cは良好であった群のそれに比し震災前より有意に高値であった.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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