糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
Hemichoreaを呈したコントロール不良糖尿病の2例
華房 順子工藤 寛千葉 陽一
著者情報
キーワード: 糖尿病, MRI, CT
ジャーナル フリー

1999 年 42 巻 9 号 p. 751-757

詳細
抄録

症例1は58歳男性.7年前に糖尿病と診断されるも放置.初診時高血糖 (血糖705mg/dl, Hb A1c 14.8%) と高血圧あり, 糖尿病性網膜症, 腎症, 神経障害を認めた. 入院後血糖, 血圧改善するも, 突然, 左上下肢にchorea発現. CTで右被殻に高吸収域を, MRI T1強調画像で右被殻-尾状核に高信号を認めた. 3ヵ月後より症状改善し始め, 画像所見も減弱した. 症例2は46歳男性. 6年前に高血糖指摘受けるも放置. 突然右上下肢にchorea発現. 糖尿病 (Hb A1c 12.1%) と高血圧指摘され2週間入院加療受けるも, 改善不十分なため, 当院受診. 高血圧動脈硬化性眼底変化とともに尿蛋白陽性, 神経障害を認め, 左被殻にCTで高吸収域, MRI T 1強調画像で高信号を認めた. ハロペリドールを使用し発症より2ヵ月後に症状消失し, 5ヵ月後のMRI所見は消失していた. 2例とも糖尿病, 高血圧による臓器障害を有しており, 病因として虚血, 神経伝達物質の乱れなどの関与が考えられた.

著者関連情報
© 社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top