糖尿病
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糖尿病患者におけるインスリン治療必要性予知のための抗グルタミン脱炭酸酵素 (GAD) 65抗体価カットオフの検討
春日 明丸山 太郎森本 二郎島田 朗猿田 享男
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キーワード: GAD抗体, IAA, IA-2, HLA, 1型糖尿病
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2000 年 43 巻 11 号 p. 935-940

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抄録

GAD65抗体 (GADA) は糖尿病患者でのインスリン治療予知に有用だが, 一部の陽性患者ではインスリン治療を必要としない. 今回, 非インスリン治療のGADA陽性患者を経過観察し, インスリン治療予知のための戦略を検討した. 54名のGADA陽性患者を登録し, 自己抗体, Cpepitde, BMI, HLADRを測定した. 平均4年経過観察の後, 21名がインスリン治療となった. インスリン治療群はBMI, Cペプチドが低く, 他の自己抗体はこの群にのみ認めた (インスリン自己抗体6名, IA-2抗体2名). また, GADAは高値で, DR4を多く認めた, RO Cplotを用いた検討では, 約適0単位でGADAの診断能は極大となり正診率は8896であったが, C-peptideやBMIの極大の正診率は6割程度であった. 多変量解析ではGADA10単位以上に加え, DR4陽性が有用である亘能性が示唆された, 以上より, 日本人糖尿病患者のインスリン治療予知のためのGADAのcutoffは10単位 (Cosmic) とすることが妥当と考えられた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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