糖尿病
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α-トコフェロールは糖尿病性早期腎症患者の尿アルブミン, 尿フィブロネクチン分解産物排泄を減少させる
多田 久也小林 令明塚本 昌良井口 利樹
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2000 年 43 巻 12 号 p. 1037-1041

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抄録

α-トコフェロール (α-toc) が糖尿病性早期腎症に対して有効かどうかを, 主として尿アルブミンと尿フィブロネクチン分解産物 (FnDP) の面から検討した, 対象は微量アルブミン尿を呈する2型糖尿病23例で, そのうちα-toc投与群は12例, 臨床像をマッチさせた対照群11例である. α-toc群には1回150mgのα-tocを1日3回経口投与し, 8カ月間経過観察した. 観察期間中, 両群とも, 血圧, HbA1cに有意な変動はなかった. α-toc群の血中α-toc濃度は8カ月後に投与前の約3倍上昇した. 対照群では尿アルブミン, 尿FnDPに変化はなかったが, α-toc群ではいずれも有意な減少 (それぞれp<0.05, p<0.01) が認められた. なお, 両群とも, 血清クレアチニン, 過酸化脂質, 尿NAGなどに有意な変動はみられなかった. 以上より, α-tocは早期腎症の治療薬として有効である可能性が示唆された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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