糖尿病
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妊娠後期にケトアシドーシスを伴って急性発症した糖尿病の1例
辻 みさ田中 剛史三崎 盛治
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2001 年 44 巻 3 号 p. 217-220

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抄録

症例は, 31歳の1回経産婦. 前回妊娠は37週で正常分娩. 今回の妊娠においても妊娠34週まで定期検診で尿糖は陰性で経過は順調であった. 平成10年7月19日 (妊娠36週) より急に口渇が出現しその翌日, 当院産科受診. 受診時, 随時血糖456mg/dlを示し, 緊急入院となった. non stress test (NST) にて胎児仮死と診断され, 緊急帝王切開術が施行された. 術中血糖値は600mg/dl, 尿ケトン体4+であったが, インスリン投与にて改善, 生児を得た. 本症例は妊娠後期に初めて発見された妊娠糖尿病であるが, ケトアシドーシスで急性発症し, 分娩後に測定した尿中CPRとグルカゴン負荷試験による血中CPRが低値であった. 著しいインスリン分泌低下は発症後1年以上持続し, 自己抗体は陰性であったことより, 膵酵素の上昇は認められなかったものの最近Imagawaらにより報告された非自己免疫性劇症1型糖尿病に類似の病態と考えられた.

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