糖尿病
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岡山県南部地区における糖尿病足病変の実態調査
松木 道裕木村 和陽久山 文子住友 正治高橋 健二西田 聖幸羽井佐 茂姫井 孟松岡 孝三島 康男宮下 雄博米田 正也
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2001 年 44 巻 4 号 p. 341-347

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抄録

糖尿病患者における足病変の実態を知る目的で, 糖尿病患者とその担当医とを対象にアンケー卜調査を岡山県南部地区7病院で行った. 解析し得た総計2006例の結果について報告した. 糖尿病末梢神経障害によると考えられる症状を有する患者は36.596にみられ, 糖尿病の罹病期間とともにその頻度は増力口した. 担当医の診断では26.696に糖尿病末梢神経障害が疑われた. 一方, 糖尿病神経障害以外の原因では, 下肢の血流障害と思われる症状を有する症例は15.796に, 腰椎の骨病変からと思われる症状は13.296に認められた. 担当医が糖尿病以外の原因で起こる足病変と疑った症例は24.996であった. 糖尿病末梢神経障害によると考えられる症状を有する患者は比較的高頻度にみられたが, 担当医の診断による頻度との間には差が認められた. 糖尿病足病変を診る場合, 糖尿病神経障害以外の足病変の症例が含まれる可能性を十分考慮することが必要である.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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