糖尿病
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療養指導スタッフの積極参加による糖尿病診療レベルアップの試み
高橋 秀夫小野 陽子石井 真由美寺島 明子藤田 妙子
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2001 年 44 巻 4 号 p. 349-354

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抄録

毎回全員の患者に対して, 受診当日の血糖, HbA1cを医師の診察前に療養指導スタッフが説明, 指導するシステムを導入し, 前後でのスタッフの変化, HbA1Cの変化につき検討した. 1999年6月を導入期, 同年11月を確立期とし, この期間通院した585名を対象とした. 両期とも情報収集量は同じであったが指導経験の短いスタッフでは低血糖の有無などの閉ざされた質問が多かった. 指導数は導入期34名から確立期137名へ増加し, 指導内容も患者の個々の特性, 自己決定権に応じた指導がなされるようになり, 確立期にはスタッフ間格差もみられなくなった. スタッフの指導内容に対して担当医師は導入期80.0%, 確立期92.6%で同意を示していた. HbA1cは導入期7.46±1.36%, 確立期7.26±1.36%, 1年後6.74±1.12%と有意に改善した. 診療への積極的参加により, 療養指導スタッフは従来医師が行っていた指導内容と変わらない指導を適切に行えると考えられた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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