糖尿病
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当施設における高コレステロール血症を合併した耐糖能異常患者のコレステロール, HbA1cおよび血圧管理の現状
鶴丸 雅子山口 義彦山川 賢一魚谷 茂雄山崎 浩則江口 勝美佐々木 均
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2002 年 45 巻 10 号 p. 773-778

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抄録

今回, 動脈硬化症の危険因子について, 当院代謝専門外来における治療現状を分析した, 対象は, 71名の高コレステロール血症を合併した耐糖能異常患者 (2型糖尿病61名/境界型10名, 年齢62.1±1L8歳, 女/男=47/24名) であり, LDL-コレステロール (LDL-C), 総コレステロール (TC), HbA1c, 収縮期血圧 (SBP) を調査し, 2段階の治療目標 (GOAL1とGOAL2) に対する達成率を算出した。日本動脈硬化学会, 日本糖尿病学会, 日本高血圧学会の治療ガイドラインを参考に, GOAL1は, LDL-C<120mg/dl, TC<200mg/dl, HbA1C<6.596, SBP<140mmHg, GOAL2は, LDL-C<100mg/dl, TC<180mg/dl, HbA1c<5-896, SBP<130mmHgに設定した.対象のLDL-C, TC, HbA1c, SBPにおいて, GOAL1達成率は, 各々59.296, 46.3%, 328%, 54.4%, 平均48.2%であり, LDLCが最も高く, ついでSBP, TC, HbA1cの川頁であった, GOAL2達成率は, 各々18.4%, 29.3%, 15.6%, 33.8%, 平均24.3%てあり, SBPが最も高く, TC, LDL-C, HbA1cの順であった, また, 1患者におけるLDL-C (またはTC), HbA1c, SBPの3項目の達成数をみてみると, GOAL 1の基準では, 3項目達成127%, 2項目達成29.6%, 1項目達成43.7%, 3項目どれも達成していないものが14.1%であった.GOAL2の基準では, 3項目達成1-4%, 2項目達成11.3%, 1項目達成45, 1%, 3項目どれも達成していないものが42.2%であった.以上より, 当院代謝外来における動脈硬化症の危険因子に対する治療は, 目標に対して不十分であり, 治療目標の達成率を向上させる必要があると考えられた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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