糖尿病
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2型糖尿病患者におけるラクナ梗塞危険因子としての血中PAI-1濃度測定の意義
佐谷 かほり紺屋 浩之長谷川 善一浜口 朋也郡 耕介末廣 謙難波 光義垣下 榮三
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2002 年 45 巻 8 号 p. 577-582

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抄録

2型糖尿病患者において, 線溶阻止因子のひとつであるplasminogen activator inhibitor-1 (PAI-1) 血中濃度が, ラクナ梗塞の危険因子であるか検討した. 血中PAI-1濃度は, HbA1c, advanced glycation endproducts (AGEs) や空腹時CPRとは相関せず, 体脂肪率, BMI, 平均血圧と有意な正相関を認めた. また血中PAI-1濃度は, 血小板数, 血中フィブリノーゲン量, 頭部MRIのラクナ梗塞数とも相関を認めた. このことより2型糖尿病患者における脳血管局所では, 凝固系の亢進および, 線溶系抑制を介した血栓形成傾向の存在が示唆される. さらに血中PAI-1濃度は, 2型糖尿病患者において頸動脈エコーの動脈硬化病変とではなく, むしろ頭部MRIの梗塞病変数と関連したことより, 頸動脈の動脈硬化病変とは独立した脳血管障害発症危険因子のひとつになり得ると考えられた.

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