糖尿病
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2型糖尿病の高齢女性における大腿骨頸部骨折の臨床的特徴
森 豊上野 博嗣田嶼 尚子
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2002 年 45 巻 8 号 p. 613-616

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抄録

70歳以上の女性105名を対象に糖尿病の合併と骨塩量の関係を検討するとともに, 糖尿病を合併した大腿骨頸部骨折女性症例の臨床的特徴を検討した. 糖尿病合併女性の腰椎側面の骨密度は非合併女性と比較して低下傾向であった. 当院にて入院治療を行った154名の大腿骨頸部骨折症例のうち, 糖尿病合併例37名の大腿骨頸部骨折発症年齢 (77.4±7.9) は, 非合併例 (81.3±7.5) と比較して有意に (p<0.01) 低年齢であった. さらに, 糖尿病合併例では74歳以下の大腿骨頸部骨折症例が有意に (p<0.01) 高率であった. 糖尿病合併例は高血圧症, 脳血管障害などの合併率が高く, 糖尿病の罹病期間が長く, SU剤, インスリンによる治療例が多かった. 今回の成績から糖尿病と大腿骨頸部骨折の関連について, 糖尿病による骨塩量の減少といった骨性因子を介するよりも合併症がもたらす転倒に関連した因子を介して大腿骨頸部骨折のリスクが上昇した可能性が大きいと考えられた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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