糖尿病
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細菌性肺炎に横紋筋融解症を合併した高齢者2型糖尿病の1例
堀之内 秀治川村 美輪子新名 清成出口 尚寿有村 公良納 光弘
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2002 年 45 巻 9 号 p. 683-687

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抄録

症例は78歳男性. 76歳時より2型糖尿病にて加療中. 2001年1月5日発熱, 下肢脱力感が出現し, 即日入院となった. 入院時, WBC21, 800/μl, CRP8. 1mg/dl, CK2, 155lU/l (MM分画99.596), 血中ミオグロビン2599ng/mlを示し, 胸部X線写真で右上肺野に浸潤影を認めた. 細菌性肺炎および横紋筋融解症と診断し, 補液とセフォタキシム2g/日投与を開始した. CKは第6病日5, 5491Ulまで上昇したが, 肺炎の改善とともに正常化した. 経過中, 腎機能の悪化はきたさなかった. 細菌検査にて起炎菌は同定し得なかったが, 横紋筋融解症の原因として細菌性肺炎が考えられた. 糖尿病患者では感染症の合併頻度が高く, 脱水, 高血糖, 電解質異常なども力口わりやすい. 細菌性肺炎に合併する横紋筋融解症は比較的稀なため留意されることは少ないが, 高齢糖尿病患者では, 重篤な経過をとりうる点からも十分な認識が必要である

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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