糖尿病
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全身性エリテマトーデスとシェーグレン症候群を合併した1型糖尿病の1例
田中 正巳宮崎 康横井 伯英清野 進
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2003 年 46 巻 1 号 p. 11-14

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抄録

症例は49歳女性.強い全身倦怠感を自覚, その後レイノー現象, 全身に拡がる関節痛, 息切れ, 起座呼吸が出現1近医で高血圧, 高血糖を指摘され, 当院に入院した.血糖値420mg/dl, HbA1c11.1%, 抗GAD抗体6.4U/mlより1型糖尿病と診断した, DNAタイピングで1型糖尿病の感受性アレルを有していたことが判明した.また, 蝶形紅斑, 多発性関節炎, 心膜炎, 白血球, リンパ球減少, 抗DNA抗体, 抗Sm抗体陽性より全身性工リテマトーデス (以下, SLE) と, また, ローズベンガルテスト陽性, シルマーテスト陽性, 抗SS-A抗体, SS-B抗体陽性よりシェーグレン症候群 (以下, SjS) と診断した.1型糖尿病, SLE, SjSを合併した症例報告は少なく, 3疾患が同時期に診断されたのは本例が初めてである.3疾患の合併が単なる偶発でなく, なんらかの共通な免疫学的メ力ニズムで発症した可能性が強く示唆される.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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