糖尿病
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高浸透圧性非ケトン状態に伴い発症し, 臨床経過を追跡し得た橋中心髄鞘崩壊症の1例
北原 亮橋本 大望月 初音北上 ふさ子鈴木 初音吉見 輝也川合 弘太郎中村 浩淑
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2003 年 46 巻 11 号 p. 881-885

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抄録

症例は53歳, 女性, 約15年前から糖尿病のため治療を受けていたが, 血糖コントロールは不良であった. 全身倦怠感, 四肢筋力低下, および構音障害を来し, 当科に入院した. 高血糖および高ナトリウム血症を認め, MRIおよび脳幹聴覚誘発電位所見よりcentral pontine myelinolysis (CPM) と診断した. その後の経過でMRI上, 脱髄病巣はほぼ固定した. CPMは, 血清浸透圧の急激な変化により生じると考えられている脳幹部の非炎症性脱髄性病変である. CPMを糖尿病の急性合併症として認識すべきことを示した症例である.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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