尿中C-ペプチド (U-CPR) は, インスリン分泌能の有用な評価法であるが, 室温では不安定であり保存剤の添加が必要である. 保存剤としてアジ化ナトリウム (NaN3) が広く用いられてきたが, 取り扱いには厳重な管理を要する. 今回, 保存剤として開発された炭酸ナトリウムを主成分とした安定化剤 (安定化剤) または従来のアジ化ナトリウムを添加した室温下の蓄尿と4℃ 蓄尿のU-CPRを2種のキットで測定し, 比較検討した. U-CPRは安定化剤添加群と4℃ 蓄尿群間で良好な正相関を認めた. また, 安定化剤添加群のU-CPRは他の保存条件下と比較し最も高値を示した. 尿中UN, Cr, Clの測定には本剤の添加による影響を認めなかった. 本安定化剤は危険性が少なく, 管理が容易であり, いずれの測定法にも用いられる有用な保存剤であった.