糖尿病
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尿中C-ペプチド測定用の蓄尿時添加剤としての炭酸ナトリウム製剤の検討
小川 郁代明比 祐子中川内 玲子飯野 研三安西 慶三田村 和夫浅野 喬阿部 和子渡辺 正一小野 順子
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2003 年 46 巻 12 号 p. 919-924

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抄録

尿中C-ペプチド (U-CPR) は, インスリン分泌能の有用な評価法であるが, 室温では不安定であり保存剤の添加が必要である. 保存剤としてアジ化ナトリウム (NaN3) が広く用いられてきたが, 取り扱いには厳重な管理を要する. 今回, 保存剤として開発された炭酸ナトリウムを主成分とした安定化剤 (安定化剤) または従来のアジ化ナトリウムを添加した室温下の蓄尿と4℃ 蓄尿のU-CPRを2種のキットで測定し, 比較検討した. U-CPRは安定化剤添加群と4℃ 蓄尿群間で良好な正相関を認めた. また, 安定化剤添加群のU-CPRは他の保存条件下と比較し最も高値を示した. 尿中UN, Cr, Clの測定には本剤の添加による影響を認めなかった. 本安定化剤は危険性が少なく, 管理が容易であり, いずれの測定法にも用いられる有用な保存剤であった.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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