糖尿病
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全身性エリテマトーデスに合併し, 重症の低血糖発作を来したインスリン受容体異常症B型の1例
村上 敦子岡川 洋右福島 あゆみ三澤 晴雄河野 智恵谷川 隆久神田 加壽子森田 恵美子川中 良哉
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2003 年 46 巻 7 号 p. 527-532

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抄録

症例は32歳, 女性. 22歳時全身性エリテマトーデス (SLE) と診断され, ステロイド剤などによる治療を受けていた. 1999年 (平成11年) 8月, SLEの増悪に伴い, 夜間の異常な空腹感などが出現し当科入院. 蛋白尿, 各種自己抗体高値, 低補体血症等, SLEの疾患活動性は極めて亢進していた. 入院後, 反復する空腹時低血糖発作 (血糖20~30mg/dl) が出現.抗インスリン抗体陰性, 75gOGTTで血糖の異常な変化は確認できず, 高インスリン血症を呈していた. 諸検査よりインスリノーマなど低血糖を来す疾患や薬剤の影響は否定的で, 抗インスリン受容体抗体陽性よりインスリン受容体異常症B型による低血糖症と診断された. 本症とSLEに対して, メチルプレドニゾロン32mg day及びシクロスポリン150mg/dayによる免疫抑制療法を施行し, SLEの改善と共に低血糖発作は消失した. 抗インスリン受容体抗体は多クローン性で様々な生理的作用を有するが, 高血糖を呈する例がほとんどで低血糖を来すことは稀である. 低血糖発現の機序としては, 主にこの抗インスリン受容体抗体のインスリン様作用が考えられるが, 低血糖を呈する本症とSLEとの併発は極めて稀である.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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