本研究の目的は, 日常の外来診療の中で医療機関と病院外施設の連携モデルとして実施された健康行動支援プログラムの継続・効果評価を行うことである. 対象は健診などでの異常を契機に新規に診断された未介入・非薬物療法下にある比較的軽症の耐糖能異常者184名で, 本プログラムは非薬物療法下での糖尿病の一次・二次予防に焦点を絞り, 食・運動行動の変容および修正を中心に行った. プログラムの継続率は45%(83名) であり, 対象者の1年後の医療機関への通院率は51%(94名) であった. 継続者に対する効果評価の結果, 肥満, 体力および糖・脂質代謝指標に有意な改善が認められた. これらの結果から医療機関と病院外施設とが連携した健康行動支援プログラムの管理下にあれば, 少なくとも病態の改善には効果があることが認められた. 一方, 本プログラムの非継続の主な原因は, 患者の医療行動に関わる問題であった.