糖尿病
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有効利用のための血糖自己測定の指導とその有効性についての検討
実測値に対する認識の重要性
松尾 直美中原 以智田中 有香黒澤 寿子三浦 順之助内潟 安子岩本 安彦
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2004 年 47 巻 1 号 p. 51-56

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抄録

当院入院中の患者29名を対象に血糖自己測定 (SMBG) 既指導群 (A群), 導入群 (B群) に分け, 測定値の解釈及び日常生活での利用法を指導した. 退院後, SMBGに対する意識や活用方法の変化, 予測値と実測値の相違をアンケート調査し, 測定回数やHb Alcの推移と共に検討した. 退院2カ月後では血糖値の解釈, 予測にする主観的な判断, 予測値と実測値の差は両群間に有意差は見られなかった. 退院6カ月後のHbA1cは入院前と比較してA群では有意な低下ではなかった (p=0.16) が, B群では有意に低下した (p<0.05). なお, 両群とも6カ月後までは退院時より少ないSMBG回数で血糖コントロールを維持できていた. 両群とも入院中のSMBGの指導に対する反応は良好であったが, 導入早期に有効活用の方法を教育する方が, 少ない測定回数でよりよい血糖コントロールを得ることができるようになると推察された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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