当院入院中の患者29名を対象に血糖自己測定 (SMBG) 既指導群 (A群), 導入群 (B群) に分け, 測定値の解釈及び日常生活での利用法を指導した. 退院後, SMBGに対する意識や活用方法の変化, 予測値と実測値の相違をアンケート調査し, 測定回数やHb Alcの推移と共に検討した. 退院2カ月後では血糖値の解釈, 予測にする主観的な判断, 予測値と実測値の差は両群間に有意差は見られなかった. 退院6カ月後のHbA1cは入院前と比較してA群では有意な低下ではなかった (p=0.16) が, B群では有意に低下した (p<0.05). なお, 両群とも6カ月後までは退院時より少ないSMBG回数で血糖コントロールを維持できていた. 両群とも入院中のSMBGの指導に対する反応は良好であったが, 導入早期に有効活用の方法を教育する方が, 少ない測定回数でよりよい血糖コントロールを得ることができるようになると推察された.