糖尿病
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小児1型糖尿病における超速効型インスリンを用いた注射法とその効果について
浦上 達彦森本 繁夫大和田 操
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2004 年 47 巻 10 号 p. 799-805

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抄録

小児1型糖尿病40名において, 速効型インスリンから超速効型インスリン (quick-actinginsuiin analogue: Q) に切り替えた時の注射法とその効果について検討した. Q使用前の注射法はR-R-R-N (U) が28例 (7096), RN-R-R-Nが1例 (2.5%) であったが, Q使用後12カ月の注射法はQ-Q-Q-N (U) が18例 (4596), QN-Q (R)-Q (R)-Nが9例 (12.596) であり, basalを複数回注射する症例が増力口した. また8例 (2096) は生活様式に応じてbolusとしてRとQを使い分けていた. Q使用前および12カ月後の総インスリン量に有意な変化はなかったが, basal量は各25.8±12.2, 27.1±12.6U/日 (各総インスリン量の51.9, 54.6%) であり, Q使用後に有意に増力口した. Q使用に伴うHbA1cの変化は前7.6±1.0, 12カ月後73±0.896であり, Q使用後に有意に低下した. しかし対象をQ導入時のHbA1cにより3群 (7>, 7-7.9, ≧8%) に分類した場合, 8%以上群でのみ有意な改善が観察され, 他2群では有意な変化はなかった. 重症低血糖の頻度はQ使用前後で有意な変化はなかった. Qの使用によりインスリン注射法は多様化され, basalの注射回数や投与量が増力口したことが確認された. またQ使用後に有意なHbA1cの低下が観察されたが, これはR使用時に血糖コントロール不良例のHbA1c低下を反映する結果であった.

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