糖尿病
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心停止ドナーからの膵島移植によってインスリン離脱した1型糖尿病の1症例
山田 祐一郎松本 愼一福田 一仁濱崎 暁洋小倉 雅仁松岡 啓子藤本 新平興津 輝岩永 康裕野口 洋文米川 幸秀永意 英生柴田 登志也笠井 泰成前川 平清野 裕田中 紘一
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2004 年 47 巻 12 号 p. 945-950

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抄録

本邦初の膵島移植成功例である. 症例は36歳, 女性.15歳時に口渇・全身倦怠・体重減少あり, 1型糖尿病と診断. 強化インスリン療法がされるも, 血糖コントロールは不安定であり, 無自覚低血糖によって交通事故の既往もある. 膵島移植の適応と判定され, 2004年4月7日ならびに7月2日の2回, 心停止ドナーの膵臓から単離された, それぞれ350, 400IE (islet equivalent) と474,000lEの膵島を経皮経肝的に門脈内に移植された. 免疫抑制薬としてバシリキシマブ・ラバマイシン・タクロリムスが用いられ, 強化インスリン療法で厳密な血糖コントロールが行われた結果, インスリン必要量は漸減し, 2回目の膵島移植後の第20病日にインスリンを離脱, 第32病日に施行した75g経口糖負荷試験では正常型を呈した.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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