糖尿病
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糖尿病患者における頸動脈エコー及びPWV検査所見
動脈硬化進展に関わる因子との関連
松崎 純子中村 昭伸小野 百合
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2004 年 47 巻 3 号 p. 233-237

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抄録

【目的】糖尿病患者において動脈硬化の危険因子を知るため, 頸動脈エコー検査所見の有無と他の動脈硬化関連因子および糖尿病コントロール, 合併症との関連を検討した.【方法】241名に頸動脈工コー検査を行い, 異常所見を認めたA群, 認めなかったB群に分け, 2群間における各種検査項目, 動脈硬化危険因子との関連を検討した.【結果】脈波伝播速度 (PWV), 内膜中膜壁厚 (IMT), 高血圧症の罹病率, 年齢, 糖尿病罹病期間, 合併症の有無はA, B両群間で有意差を認めた. 糖尿病大血管症発生群 (40名に出現) およびPWV1, 600cm/sec以上群においてもほぼ同様の結果を認めた. PWV, IMT肥厚度, 高血圧症罹病率は頸動脈エコー所見の重症度および糖尿病大血管症発生に伴い元進していた.【結語】動脈硬化の進展は力口齢, 高血圧に依存するところが多く, 糖尿病患者は血糖コントロールのみならず血圧の管理が重要であると考えられた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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