糖尿病
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Semmes-Weinstein monofilamentを用いた糖尿病性神経障害の評価と有用性
測定部位と判定法の検討から
本田 育美神谷 千鶴栗原 宏子大徳 真珠子南茂 隆生佐藤 智己奥宮 暁子宮川 潤一郎江川 隆子
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2004 年 47 巻 3 号 p. 239-245

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抄録
糖尿病患者142名に対し, 6種類のサイズのSemmes-Weinstein monofilament (SWM) を用いて, 左右の足底面を3カ所ずつ測定し, 測定部位および閾値の算出法の違いによる糖尿病性神経障害 (DN) の診断精度の変化を検討した. DNの判定は, 糖尿病性神経障害を考える会の「糖尿病性多発神経障害の簡易診断基準」を参考に, 自覚症状・振動覚・アキレス腱反射の3項目のうち2項目以上で異常を認めた場合とした. その結果, SWMの判定は, 最大値を示した閾値を採用する方法が曲線下面積 (AUC) 値は高く, カットオフポイントを4.56 (4g) とした時の精度が一番高かった, また, SWM単独でDNを判定する場合は, 複数箇所を測定し判定する方が診断精度は高いものの, 1カ所のみで判定する際は, 第1趾底面での評価が優れていた. さらに, アキレス腱反射, 振動覚, 自覚症状の中の2項目にSWMを力口えて判定すると, 感度は73%以上と向上し, 特異度は83%以上に維持された1これより, SWMを使った圧覚閾値の判定は, DNの簡易診断基準の項目としての有用性が示唆された.
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© 社団法人 日本糖尿病学会
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