日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌
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消費者とブランドとの関係を考慮した階層ベイズモデルによるクロスメディア効果推定
日高 徹司 佐藤 忠彦
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2016 年 59 巻 p. 106-133

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抄録

階層ベイズ順序ロジットモデルにより消費者異質性を考慮した複数広告素材の相乗効果(クロスメディア効果)を測定・推定する方法を提案し,ある商品のクロスメディア効果を測定・推定した.その結果,消費者によって効果的な広告が異なるという広告効果の多様性が示唆された.さらに,ブランド態度や企業イメージと広告効果の間に関係がある傾向が示唆された.この結果は,Ehrenbergの弱い広告効果理論と整合する.一方,クロスメディア効果との関係は正と負の両方が混在していた.これは,正の関係の場合は弱い広告効果理論と整合するが,負の関係の場合は広告を繰り返し露出による効果の低減を表していると考えられる.

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© 2016 日本オペレーションズ・リサーチ学会
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