2005 年 57 巻 3 号 p. 166-174
電子ジャーナルの長期保存は容易に保障されそうにないが,諸々の調査がその必要性を訴えている。本稿は保存を担うアーカイブを想定する中央集約型のモデルについて,アクセスの問題を中心に検討する。手がかりはAndrew W. Mellon財団によるプロジェクトである。そこではアクセスを認めるトリガーイべントとして,ムービングウォール,フェイルセーフ,アーカイブ特有の利用,が主に提案された。また,アクセスの問題が,保存内容の取捨選択やアーカイブの経済的課題と関連を持つことも確認する。