2005 年 57 巻 4 号 p. 222-239
本稿では,大学図書館の利用教育のうち,人文・社会科学分野の主題別情報探索法指導における主題について,実践事例を元に考察した。これは,筆者が別稿でまとめた分野ごとの資料利用傾向を踏まえ,利用傾向と利用教育のギャップと実践における主題の重要性を見ることを目的としている。分析の結果,実践では様々なニーズを反映するため,単純に分野の傾向どおりにはならないということ,指導環境やプレゼンテーションなどが,主題よりも利用者の印象を左右するが,指導内容の調整や有用性という点では,主題が重要となることが示唆された。