2012 年 64 巻 1 号 p. 2-18
昭和初年期は視聴覚メディアが大衆化した時代である。映画・レコード・ラジオ・紙芝居等々。今回はその中から「映画」を取り上げ,映画上映・映画鑑賞という視点から昭和戦前・戦時期の図書館を検証した。主な対象図書館は,鎌田共済会図書館,葵文庫,東京市立図書館,県立鳥取図書館である。「映画」を取り上げることによって,図書館がどの層を対象としてサービスを行なっていたのか,力を注いだのかが見えやすくなる。その地域性や,図書館の方針等を踏まえて,意外にバラエティに富んだ図書館の諸活動を見ていく。