図書館界
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絵本『キューバ訪問』の除去をめぐる事件 : アメリカ自由人権協会対マイアミ-デイド学区事件(2006,2009年)
川崎 良孝
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2014 年 66 巻 3 号 p. 206-223

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抄録

本稿はフロリダ州で生じた絵本『キューバ訪問』をめぐる事件を取り上げて,経過,連邦地裁や控裁の判決を実証的に記述する。親からの除去の申し入れにたいし,教育委員会は除去を決定した。それを不服としてアメリカ自由人権協会が提訴し,控裁は教育委員会の措置を支持した。判決はピコ事件判決(1982)が示す除去の基準である「教育的適性」を梃子に,絵本の記述の誤りや省略を理由に原告の訴えを退けた。本稿は「教育的適性」という基準の曖昧さを指摘するとともに,プレジデンツ事件(1972)以降の学校図書館蔵書をめぐる裁判事件の系譜に照らして,本判決の思想的な意味を探っている。

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© 2014 日本図書館研究会
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