日本トキシコロジー学会学術年会
第34回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-157
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農薬・金属・工業化学品・自然毒ほか
脂肪細胞の形状及びアディポサイトカイン発現に対するカドミウムの影響
*海部 真代杉本 裕幸川上 隆茂鈴木 真也古市 莉恵佐藤 政男
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抄録
【目的】近年、注目を集めているメタボリックシンドローム発症は脂肪蓄積だけでなく脂肪細胞の質的変化が深く関与しており、これらの原因としてエネルギーの過剰摂取や運動不足などの環境要因がある。また、我々は肥満にストレスも関与することを観察している。一方、イタイイタイ病の原因物質としても知られる重金属カドミウム(Cd)による重篤な中毒の発症は現在ではほとんど無く、米などに由来する低用量の持続的Cd摂取による生体への影響は今後とも注意が必要である。そこで本研究では環境ストレスの重金属Cd曝露が脂肪組織蓄積量、脂肪組織の質に対して与える影響を検討した。 【方法】実験動物と処理:ICRマウス、雄性7週齢にCdCl2(10 μmol/kg)の皮下投与を週6日、1週間もしくは2週間続け、精巣周囲の脂肪組織の摘出を行なった。脂肪組織の形態:ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色法を用いて検討した。mRNA発現量:PPARγ2、ap2、ACC1、SCD1のmRNA発現量をRT-PCR法により測定した。 【結果及び考察】Cdを二週間連続皮下投与したマウスの体重は、Cd投与群と対照群との間に差は認められなかった。一方、Cd投与群の白色脂肪組織重量は、対照群と比較して、有意な低下が認められた。HE染色法を用いて脂肪組織切片を顕微鏡で観察したところ、対照群の脂肪細胞は大型脂肪細胞が大部分を占めていたのに対し、Cd投与群は小型脂肪組織が大部分を占めていた。脂肪細胞の分化増殖に関与するPPARγ2やap2、肥大化マーカーであるACC1、SCD1のmRNA発現量を検討したところ、Cd投与群において有意な上昇が観察された。このことから、Cd投与により白色脂肪組織重量の低下、脂肪細胞サイズの縮小が引き起こされることが示唆された。
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© 2007 日本毒性学会
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