日本トキシコロジー学会学術年会
第36回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: S8-2
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ナノマテリアルの毒性学
ナノマテリアルの安全性確保を目指して
*堤 康央
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キーワード: ナノ毒性, シリカ, 動態
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抄録

我が国のナノテクノロジー研究は、開発・実用化の点で世界をリードしており、ナノシリカや酸化チタン、フラーレンなどが食品や香粧品、医薬品の必須素材として上市されている。一方で、ナノマテリアルの物性(サイズ、形状など)に起因した革新的機能が逆に、二面性を呈してしまい、予期せぬ毒性(NanoTox)を発現してしまうことが世界的に懸念され始めている。そのため、経済協力開発機構(OECD)と連携しつつ、欧米各国などはナノマテリアルの開発やその利用を規制しようとする動きを加速化している。そのため、知財・技術立国を目指す我が国としては、ナノマテリアルの開発・実用化を闇雲に規制するのではなく、ナノテクノロジーの恩恵を社会が最大限に享受でき、かつナノ産業の育成や発展のスピードを鈍らせることなく、一方で責任ある先進国としてナノマテリアルの安全性を高度に保障し、ヒト健康環境を確保していかねばならない。本観点から我々は、種々のナノマテリアルの物理化学的性状(物性:粒子径・形状・表面電荷など)と細胞内・体内動態、安全性との三者連関を明らかとすることを通じて、安全性予測・評価基盤の開発と安全性情報の集積・発信、および安全なナノマテリアルの開発支援を推進しようとしている。本発表では、一例として、医薬品・香粧品や食品添加物に利用されているナノシリカの、物性-細胞内・体内動態-安全性(慢性毒性など)の連関評価情報を紹介させて頂き、各方面からの御指導を賜りたい。

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© 2009 日本毒性学会
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