日本トキシコロジー学会学術年会
第38回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-8
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一般演題 ポスター
Estragoleのラットにおける発がん性および遺伝毒性の検討
*鈴木 裕太木島 綾希日比 大介金 美蘭石井 雄二能美 健彦梅村 隆志西川 秋佳
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抄録

【目的】Estragole(ES)は、バジルやアニスといったハーブに含まれる天然有機化合物で、香料として食品や医薬品などに使用されている。ESはマウスにおいて肝発がん性が報告されており、ES特異的DNA付加体形成が発がんに関与していると考えられている。ラットにおいては、発がん性は報告されていないが、in vivo UDSアッセイにより、ES投与によるDNA損傷の可能性が報告されている。そこで今回、ラットにおける肝発がん性を肝前がん病変を指標に確認し、発がん機序への遺伝毒性メカニズムの関与について検討した。【方法】実験1:6週齢の雄性F344ラットに、ES(600 mg/kg bw)を週5日間、16週間強制経口投与した。投与4、8および16週目に動物を解剖し、肝臓を採取し、免疫染色によるGST-P陽性肝細胞巣の定量解析を行った。実験2:6週齢の雄性F344 gpt deltaラットに、ES(22, 66, 200, 600 mg/kg bw)を週5日間、4週間強制経口投与した。投与終了後、肝臓を採取し、in vivo変異原性アッセイ、LC-MS/MSを用いたES特異的DNA付加体定量解析および免疫染色によるPCNA陽性肝細胞数の定量解析を行った。【結果】実験1:ES投与によりGST-P陽性肝細胞巣の有意な増加が認められた。実験2:200 mg/kg bw以上の投与群でgpt遺伝子変異頻度が有意な高値を示し、AT:GC transition変異頻度が有意に増加した。ES特異的DNA付加体は、最低用量群から認められ、用量依存的に増加した。PCNA陽性細胞数は、200 mg/kg bw投与群で有意な高値を示した。【考察】ES投与によりGST-P陽性巣が増加したことから、ESのラット肝における発がん性が強く示唆された。ES特異的DNA付加体は最低用量群から検出され、in vivo変異原性は200 mg/kg bw群から認められたことから、ESラット肝発がん機序への遺伝毒性メカニズムの関与の可能性が示された。

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© 2011 日本毒性学会
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