日本毒性学会学術年会
第39回日本毒性学会学術年会
セッションID: S16
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ファーマコビジランス -JAPhMed後援・SEF/PV-WG
非臨床・臨床ジョイントディスカッションによるヒトでの副作用リスク最小化へのチャレンジ- 実践編「非臨床/トキシコロジストは、臨床最前線の医学専門家等との連携により最先端の科学技術に基づき副作用リスクをどのように読むか」
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抄録

医薬品のライフサイクルを通して、ヒトでの副作用リスク低減化を考えて行く上で、サイエンスに基づき、非臨床と臨床が密接にコミュニケーションできるような環境作りが重要である。ICHE2F/DSURがステップ4に達しその国内通知も近い中、市販前からの医薬品リスクマネジメントにおいて、非臨床毒性専門家もこれまで以上にヒトでの副作用リスク評価に深く関わりリスク低減化に貢献することが求められている。しかし、これまでに構築された非臨床安全性評価の視点からだけでは、臨床副作用リスクを検討する上で重要な課題の一つとなる”多様なリスク因子を抱える個々の治療の安全性確保に対峙する医療現場のニーズに応える”ことは難しいとの声もある。このような臨床-非臨床間の視界のギャップを埋めて行くためには、非臨床担当者と臨床担当者が一同に会し、“副作用発現に寄与する多様なリスク因子を考慮した安全性評価系構築”を目指しサイエンスをもとに議論(ジョイントディスカッション)できる場が必要である。しかしながら、双方の専門家がこういった目的のためにサイエンスに基づき議論できる場を設けることは難しいのが実情である。本シンポジムの特徴は、日本製薬医学会(JAPhMed)の協力により、ヒトでの副作用リスク低減化をキーワードに、非臨床担当者と臨床担当者(医師)が双方の視点から見解を示し両者が直接議論できることである。この議論においては、医薬品の開発終結事例もしくは成功事例を題材として取り上げてきた。また、国内規制当局からもオーガナイザーを迎え、国内規制当局の視点も交えた形での議論を継続中である。さらに、一昨年のLate-onset DILIの事例紹介を起点に、副作用発現に寄与するリスク因子の解析のためのツールとして非臨床側から新たな評価方法の提案、臨床サンプルを用いたメタボノミクス解析事例および国内規制当局における副作用低減のための取り組みなど最先端のサイエンスに基づいた様々な研究事例を紹介予定である。このような議論を重ねることにより、①開発から市販後まで医薬品のライフサイクルを通したリスクマネジメントにおけるトキシコロジストの役割の明確化と、②臨床担当者(特に安全性評価を担当する医師)とトキシコロジストとの連携強化が図られるものと期待される。また、このような議論が臨床副作用研究の具体事例を集積・共有化するシステムの構築へ繋がることも期待される。本年同時開催の第6回AsiaTOX2012「Advanced Clinical Toxicology」では、臨床副作用研究においては医療現場の視点を学ぶことの重要性も議論の対象として取り上げられる予定であり本シンポジウムでの議論と合わせて臨床副作用研究における課題の解決に向けた新たな方向性を提示したい。

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© 2012 日本毒性学会
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