日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: SL1
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特別講演
医療用iPS細胞の評価
*高橋 和利
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抄録

 iPS細胞の特徴の一つとして、単一ドナーから複数株樹立できることが挙げられる。つまりたくさんの候補の中からもっともよいものを選抜することができるのである。iPS細胞を用いた再生医療においては、可能な限り品質が良く安全性の高い株を使用すべきであるので、この点は非常に都合が良い。ただし、適切な評価基準があればの話である。
 適切な評価基準がない場合、「単一ドナーから複数株樹立できる」ことは私達を困らせるだけである。そこで、我々は多くの多能性幹細胞株について、分化誘導および遺伝子発現解析を実施し、低品質な多能性幹細胞株で特異的に発現する遺伝子群を見出した。
 これらの「分化多能性幹細胞とはこうあるべきではない」という基準は多くの候補の中からより良い株を選び出すのに適していると考えている。本発表では、より安全なiPS細胞の作製と評価について紹介し、議論したい。

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