日本毒性学会学術年会
第44回日本毒性学会学術年会
セッションID: O-8
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一般演題 口演
NDBレセプト情報オープンデータを用いた薬剤提供実態調査
*上野 光一武藤 奈々美佐藤 洋美
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抄録

【目的】高齢者薬物療法ガイドラインによれば、高齢者は6種類以上の多剤併用で薬物有害事象が出現しやすいとされている。最近、厚生労働省は平成26年度のレセプトデータ約18億800万件を集計したレセプト情報・特定健診等情報データベース(以下NDB)「第1回NDBオープンデータ」を公表し、薬剤に関しては、院内処方や院外処方等からそれぞれの薬効分類別の数量ベースランキング上位30位を示し、医薬品の処方薬剤数量提供実態を男女別・年齢別に把握できるようになっている。今回、この薬剤データをもとに年齢別・男女別の処方実態を解析し、薬剤提供実態を調査した。
【方法】「第1回NDBオープンデータ」の内服薬および外用薬の院外処方データについて解析した。解析対象医薬品は、年間処方総数100万剤以上の内服薬および年間処方総数10万剤以上の外用薬とした。解析した医薬品数は、2250医薬品、総計1126億8215万剤であった。年齢別解析では原則として10歳刻みで、男女別解析では他性に対し2倍以上使用された医薬品を抽出した。
【結果】年齢別・男女別解析の結果、以下のことが分かった。
1.第1回NDBオープンデータの受療者数の男女差は、女性の方が男性よりも約1.2倍多かった。
2.処方医薬品薬剤数は、受療者数に応じて女性の方が男性よりも約1.2倍多かった。
3.外来処方医薬品2250品目のうち、女性に男性の2倍以上処方された医薬品数は359であった。他方、男性に対し女性の2倍以上処方された医薬品数は124であった。
4.加齢に伴い、併用薬剤数が増加した。
【考察】処方薬剤数の男女差は対象疾患受療者数の男女差に起因するが、これら使用実態に男女差のある医薬品では、薬物動態や薬効・副作用発現に性差のある薬剤もあるものの、医薬品添付文書には性差に関する記載がない医薬品もある。医薬品適正使用を考える上では、医薬品の薬物動態や薬力学的性差・年齢差を考慮した服薬指導が求められる。本発表では、年齢別解析と併せて、薬剤提供実態の男女差についても報告する。

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