日本毒性学会学術年会
第44回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-276
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一般演題 ポスター
メチル水銀を低毒性化する食用植物中生理活性物質としてのper/polysulfides
*片山 優助安孫子 ユミ秋山 雅博熊谷 嘉人
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抄録

[目的] 環境中親電子物質であるメチル水銀 (MeHg) はタンパク質を親電子修飾することで、その親電子シグナル伝達の活性化および毒性を引き起こす。先行研究において、persulfidesおよびpolysulfidesは求核性が高いためにMeHgを捕獲して、反応性の低いビスMeHgサルファイド((MeHg)2S)を形成することを明らかにした。そこで、本研究ではMeHgを(MeHg)2Sに変換することでMeHgを不活性化するようなper/polysulfidesが食用植物中に含まれるか否か明らかにすることを目的とした。
[結果・考察] 本研究では、per/polysulfidesを含む食用植物としてニンニクおよびタマネギに着目した。ニンニクおよびタマネギの搾り汁とMeHgとを反応させると、いずれの抽出液においても(MeHg)2Sが生成した。当該搾り汁を高分子画分および低分子画分に分け、(MeHg)2Sの生成を検討すると、特にニンニク搾り汁の低分子画分に、(MeHg)2Sを生成するようなper/polysulfidesが多く含まれていることが明らかとなった。そこで、ニンニク中のper/polysulfidesを分離するために、ニンニク成分をヘキサン、ベンゼン、クロロホルム、酢酸エチル、メタノールおよび水で抽出し、(MeHg)2Sの生成を確認したところ、ヘキサン画分が(MeHg)2Sを効率よく生成した。以上のことから、ニンニクはMeHgを低毒性代謝物である(MeHg)2Sに変換するper/polysulfidesを豊富に含むことが示された。本研究成果は、MeHgとper/polysulfidesを同時に摂取することで、環境中親電子物質による健康リスクを軽減することが示唆している。

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© 2017 日本毒性学会
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