日本毒性学会学術年会
第46回日本毒性学会学術年会
セッションID: S16-1
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シンポジウム 16
テクノロジーが拓く新たな安全性研究
*奈良岡 準
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抄録

 近年、研究や技術革新は、パラダイム転換を行いながらエクスポネンシャルな加速をみせており、本学会においてもその進歩から新たな概念や評価方法が報告され、毒性研究へ応用を目的とした次世代研究の発表も多く行なわれている。

 毒性学は多様性に富み学際的な科学である性質を持ち、その時代の最新の科学技術を取り込むごとにパラダイムシフトを起こし発展してきた。最近ではオミクス技術の進展により、網羅的解析という流れができ、得られた膨大なデータから知見をえることが可能となった。

 さらにはリアルワールドデータの活用技術が進展した結果、ヒトでの副作用予測が加速し、またデジタルヘルス技術の進展は、毒性試験で言えばこれまで人間の目に頼っていた定性的な所見を、定量的な解析へ変化させ、より詳細な解析を可能としている。

 そのような中、依然未解決のアンメットメディカルニーズの解決に向け、新しいモダリティの利用などにより、治療手段が多様化・増えていく中で、我々安全性研究者は、日頃から最新科学や技術を把握し、より最適な毒性評価を行っていく姿勢が求められている。

 今回、毒性研究において注目されつつある、あるいは毒性研究に応用可能と考えられる研究をされている各先生方のご講演に先立ち、今後医薬品の安全性研究に求められる新しい潮流について考えるきっかけとなる話題を提供したい。

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