日本毒性学会学術年会
第47回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-132
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セルロースナノファイバーの吸入影響評価
*藤田 克英小原 佐和枝丸 順子遠藤 茂寿
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抄録

新素材として多様な応用が期待されるセルロースナノファイバー(CNF)の社会実装化を加速させるためには、CNFの安全性評価が求められるが、その吸入影響については依然として情報が少ない。本研究では、化学修飾により作製したCNFの調製および計測について検証((1)~(3))した後に、CNFの吸入影響について、同じ投与用量の多層カーボンナノチューブ(MWCNT)と比較してラット気管内投与試験を実施した(4)。(1)CNFはゲルとゾルの中間的な性質を持ち、粘度が時間経過やせん断速度とともに変化する(thixotropy)ことから、スラリー状のCNFの物理化学的特性を損なわない状態で分散調製した。(2)気管内投与後、CNFの物理化学特性により、げっ歯類に窒息や行動異常などが引き起こされ、気管内投与後の適切な有害性評価ができない場合が予想される。このため、CNF試料を投与後、数日間のラットの状態の観察、および経口ゾンデからのCNF分散液の射出状態を測定し、気管内投与が可能なCNF試料の濃度や投与条件を確立した。(3)化学染料で染色したCNFを調製し、気管内投与後のラット肺各葉でのCNFの抽出と分析を実施した。これにより、気管内投与後の肺に被験材料が一部に偏在せず、一様に分布することを検証した。(4)CNF試料の気管内投与90日間での気管支肺胞洗浄液(BALF)中の細胞数や総タンパク、乳酸脱水酵素活性(LDH)、サイトカイン測定、および病理観察により、投与後の炎症の程度と経日的変化を検証した。この結果、当該CNFによる炎症反応は、MWCNTと比較して弱く、経日的に減衰することが示唆された。本発表は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務「非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発/CNF安全性評価手法」の結果から得られたものである。

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