日本毒性学会学術年会
第47回日本毒性学会学術年会
セッションID: W7-4
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ワークショップ 7
病院薬剤師からの期待―医薬品情報管理システムを開発した経験をもとに―
*神崎 浩孝山路 和彦木村 隆夫橋爪 康知堤 絵利子山本 誠小川 京子田原 誠太郎瀧下 哲也西原 茂樹千堂 年昭
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抄録

 ICTやIoTといったデジタル技術の発展が著しく加速する近年、「人工知能(Artificial intelligence, AI)」は様々な分野で社会実装がなされている。医療業界も例外ではなく、業務の支援技術としてAIが導入され始めており、今後さらに急速に発展していくことが予想される。薬剤師業務においては、自動分包機や自動抗癌剤調製ロボットなど多くの自動化機器が一般的に使われるようになっており、今後、このような機器及びシステムに組み込まれる形でAIが薬剤師業務に浸透していくものと考えられる。医薬品情報においても、これまでに整理や共有が難しかった膨大な情報をAIで処理することによって、業務の効率化や、これまでに見出すことのできなかった情報の特性を見出すことができるようになるものと期待される。

 岡山大学病院薬剤部では、ICTやAIによって医薬品情報の管理を効率化するため、医薬品情報管理システムの開発に取り組み、自然言語処理AIを用いた医薬品情報管理システムAI-PHARMA(アイ・ファルマ)を開発した。AI-PHARMAは、薬剤師の医薬品情報に関する問合せ事例や薬学的介入事例を管理し共有するためのシステムであり、院内の情報管理に加えて、施設間の情報共有も可能となっている。また、自然言語処理AIを用いることで、情報の整理や検索の効率化を実現している。さらには、本システムによって、これまで共有が難しかった、医薬品情報に関するニーズや使用実態といった、医療現場における薬剤師の知識と経験を共有し、伝承することが可能となった。

 本講演では、AI-PHARMAを使用することで見えてきた、医薬品の安全性や毒性に関する医療現場におけるリアルな情報ニーズについて紹介し、ディスカッションを深めたい。

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