日本毒性学会学術年会
第49回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-106
会議情報

ポスター
新医薬品承認審査資料の毒性概要からみた10年間の新添加剤の開発傾向
*飯島 護丈小野寺 博志
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

医薬品添加剤は有効成分の安定性や吸収などに最適な投与剤型を提供して、医薬品の有用性を高めることが良く知られている。近年、従来の低分子医薬品に加えてバイオ医薬品やワクチンなどの新しい技術分野の開発が活発なことから、新添加剤の開発にも注目した。一般的に開発から承認までに相当する10年間(2011年4月より2020年3月末まで)では、新薬の承認数は766品目(JAPIC日本の新薬-新薬承認審査報告書DBによる)であった。このうち安全性(毒性)の審査が行われた新添加剤を含む医薬品は126品目(約16%)であった。新添加剤197成分を含む医薬品を薬効、剤型、バイオ医薬品などの分野ごとに集計して開発傾向を調べた。

その結果、遺伝子組換えバイオ医薬品は、総承認新薬数の約20%に相当する162品目を占め、このうち25品目に新添加剤が含まれた。新しい技術分野における新添加剤を含む新薬数の割合は、既存の新薬と比べて高い。その他の抗体やワクチンなどの分野における新添加剤を利用した医薬品数は少なかったが、その用途を調べる意義は大きい。薬効並びに剤型別の医薬品や新添加剤の分類を行い10年間の開発傾向を明らかにした。

著者関連情報
© 2022 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top