日本毒性学会学術年会
第51回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-188
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一般演題 ポスター
皮膚感作性試験代替法を用いた脂肪酸メチルエステル群のDASS評価事例研究
*本山 順子渡辺 真一小泉 凌小島 聡史
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抄録

 動物を用いない皮膚感作性の評価は、各Key Eventに対応した代替法3試験の結果をもとにOECD GL No.497 (Defined Approaches on Skin Sensitisation; DASS) に定義される2o3 DA及び ITS DAに従い実施される。我々は、難水溶性でありマウス・モルモットの試験結果が異なる脂肪酸メチルエステル群に着目した。DASSを用いた組合せ評価による検証を行い、既存の動物データ及び物理化学特性をもとに考察した。

 被験物質には脂肪酸メチルエステル群(C6;ヘキサン酸メチル、C10;デカン酸メチル、C12;ラウリン酸メチル、C18:0;ステアリン酸メチル)を用いた。代替法はKE1: ADRA, KE2: EpiSensA(OECD TG No.442E収載予定)及びKE3: h-CLATを用いた。in silicoツールにはDerek Nexus及びOECD QSAR toolboxを用いた。

 短~中鎖(C6~12)脂肪酸メチルエステルにおいて代替法試験結果はADRAが陰性、EpiSensAが陽性、h-CLATがinconclusiveとなった。これに基づくDASS評価結果では、2o3 及びITSともにinconclusiveとなり評価できなかった。そこでEpiSensA(3D皮膚モデル)を用いたRTS(RhE based Testing Strategy)での DA評価を活用した結果、UN GHS NC(陰性相当)となりモルモットの動物結果と一致した。短~中鎖(C6~12)脂肪酸メチルエステルは、LLNAで陽性ではあるもののDASS評価あるいはRTS評価に加え物理化学特性や他の試験結果から感作性を有するものではないと考えられた。

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