富山救急医療学会
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一般演題
難聴傷病者への忖度
米島 健太
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キーワード: 難聴傷病者, 救急要請
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2018 年 36 巻 1 号 p. 6-

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抄録

射水市の平成29年中の救急出動件数は3266件であり、本年は7 月1 日現在ですでにその数を上回る勢いで救急要請がされている。全国的にも救急件数は増加の一途を辿り、平成29年中の全国での救急件数は約620万件にも及んでいる。その中で約6 割が満65歳以上の高齢者からの要請となっており、その背景には高齢化社会という社会問題があるのはご存知の通りである。また、認知症や難聴といった基礎疾患を持った高齢者の人口も増加傾向にある。

さて、そこで問題になってくるのは高齢者からの救急要請において難聴を持った傷病者に対応する際、「救急隊の質問が聞き取れない」、「質問しても違った答えが返ってくる」等といった問題が発生してくる。

(症例)

① 発生日時:平成29年12月25日 8 時03分覚知

概要:89歳男性、高齢者施設にて朝食後に意識レベルが低下したもの。

② 発生日時:平成29年12月26日11時26分覚知

概要:81歳女性、高齢者施設にて入浴後に吐血したもの。

(考察)

今回の症例において2 症例とも高齢者施設からの要請であり、どちらも難聴を持った傷病者であった。1 症例目においては施設職員が救急車へ同乗してもらい、施設職員から状況を聴取する事が出来た。2 症例目においては施設職員の救急車への同乗が無く状況の聴取がとても困難となった。

難聴を持った傷病者に対応する救急事案は今後も発生することが予想されるので、どういった対応をすると傷病者から迅速に主訴や発生状況の聴取できるかを考察する。

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