1998 年 1 巻 2 号 p. 043-048
本稿では,ドイツと日本の都市における旅客輸送の交通機関分担の比較を行った.日本における機関分担の特徴としては①全体の傾向として,自動車やオートバイ等の動力化された個人輸送(MIV)の割合が年々増加し,公共近距離旅客輸送(ÖPNV)と徒歩の割合が減少してきている,③大都市では,ÖPNVの割合が高く,その他の都市ではMIVの割合が高い,④日祭日にはMIVの割合は平日に比べ高くなっている,といったことがあげられる.ドイツと日本の機関分担を比較すると,平均的にはその傾向はよく似ている.また,両国とも都市の人口とÖPNVの割合には相関があり,その相関関係は,日本の方がドイツより高いこともわかった.