近年のガソリン価格の高騰を背景にした関心の高まりを背景に,ガソリン価格の変動がマイカー及び公共交通の利用並びにマイカーの保有を中心とする交通行動に与える影響について,所得による影響も考慮した上で,地方別の長期時系列データを用いて包括的な実証分析を行い,需要予測手法の検討その他関連研究に共通して活用できるよう基礎的な方法と資料を整理して提供する.ガソリン価格が上昇すれば,マイカー利用が減少し,公共交通利用が増加し,マイカーの保有と保有車種に影響するなどの関係を確認し,世界の低炭素交通体系向きの燃料価格政策等についての含意を得る.その際,途上国にも参考となる我が国交通統計の限界と活用方法を提示する.