繊維機械學會誌
Online ISSN : 1883-8715
ISSN-L : 0285-905X
針布の研削に関する一考察
大工原 孝井上 友一
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1953 年 6 巻 9 号 p. 581-585

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抄録
研究目的針布の研削に関する資料が余りないようなので、普通の機械工作用砥石を使つて、針布を研削し、普通の機械研削の場合と比較検討した。研究結果(1) 第1回の研削において、全研削量の50%前後が研削せられ、その後は大体指数函数的に研削量が減少する(2) 全研削量の大小にかかわらず、大体5~6回で研削が完了する。 (普通の機械工作の場合は約2倍の回数を要する) (3) 砥石の粒度が針頭面の粗さに影響を及ぼす。粒度が粗い程面も粗くなる。余り粒度の粗い砥石を使うことは望ましくない。(4) 針の膝角は研削条件の如何を問わず研削前と殆んど変らないが、針頭面の針軸に対する角度は、研削量の増加に伴いやや増加の傾向がある。印ち針が砥石に押される時・主として歪むのけ基布であり、このために基布が相当に損傷を受けるのではないかと思われる。(5) 直径50in.にも及ぶカードのシリンダの面及び軸における不整は勿論、針布の状態から考えてゲージを、1/1,000in.で規定することは困難のように考えられる。
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© 社団法人日本繊維機械学会
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