19 巻 (1966) 6 号 p. T157-T168
目的 被服材料の適確な設計に資するために, 被服材料の力学的性能を明らかにする. 本報では, 被服材料の大半をしめる織物をとりあげ, そのもっとも単純な組織の織物構造体である平織物について, まず力学的性能の基本になる一軸引っ張り特性の解析を行なった. 成果 平織物の基本的構造モデルを設定し, これと織糸の力学的性質とから理論的に平織物の引っ張り特性を誘導した. この式に含まれる平織物の引っ張り特性を定めるパラメータα, βは織糸とその糸から成る織物の荷重―伸長曲線の実測値より推定することができ, このパラメータを用いて求めた平織物の荷重―伸長の理論計算曲線は実測曲線との間に良好な一致がみられ, α, βの妥当性が確認できた. したがって, 平織物の初期変形から極限変形付近までの全過程の非線型引っ張り特性をα, β2つのパラメータで簡単にしかもできるだけ正確に表わし得ることが実証できた.なお.この2つのパラメータでは不充分な場合はさらに一般的なパラメータ関数で完全に表示できる.