1971 年 24 巻 12 号 p. T223-T231
目的 各種の変化編2枚おさトリコット編布について, その二軸伸長特性を実測し, 他方, 前報で明らかにした二軸伸長変形理論をこれらの編布に適用して, その特性を理論計算する.そして両者の結果を比較, 検討し, 理論の精度を確認する.また簡略されたモデル構造からもたらされる誤差の修正法も検討する. 成果 1) 細くて, 圧縮変形量の少ない糸を用いた編布では, 理論計算結果と実験結果との間には良い一致が認められ, 理論の正確さが実証できた. 2) 太くて, 圧縮変形量の大きい糸の編布では, 一部の変形様式において, いくらかの理論の精度の低下がみられた.このため, 糸伸び効果領域におけるモデルを少し修正して, 現実の構造に近づけ, またニードルループとシンカーループに別々に糸の圧縮特性を導入して, 理論の修正を行なった. 3) 理論の修正により, 広範囲の編布について, 精度のよい二軸伸長特性の予測計算が可能となった.