女性の衣服形態に対する色彩の適合性に関する短大生の認知
1992 年 45 巻 11 号 p. T200-T206
詳細
1992 年 45 巻 11 号 p. T200-T206
目的 女性の衣服形態に適合すると認知されている色を測定し, その認知に一致性があるかどうか, さらに, 適合度の認知にその衣服形態のイメージと色のイメージの一致度がどのように関連しているかを分析する.成果 (1) フォーマルな形態の衣服に対しては, 紺, ベージュが適合すると判定され, カジュアルな形態の衣服に対しては, 多様な色が適合すると認知され, また, 判定者によって適合すると認知されている色彩が異なっている.(2) ケンドールの一致性の係数を算出して判定者間の認知の一致性を分析した結果, いずれの衣服形態についても統計的に有意に一致した判定であることが示された.(3) 衣服形態に対するイメージと色のイメージの一致度に基づいて順位づけられた色の順位と適合度順位の関連を分析したところ, フォーマルな衣服形態においては, それらの順位が合致し, カジュァルな衣服形態においては, 適合度順位の高い色彩について両順位が合致した.この結果, ある衣服形態に対する色の適合度の判定に際しては, その衣服形態と類似したイメージを持つ色彩が適合すると認知される傾向のあることが分かった.
