ばね論文集
Online ISSN : 1348-1479
Print ISSN : 0385-6917
ISSN-L : 0385-6917
ばね鋼のフレッティング疲れ特性
武藤 睦治田中 紘一迫田 秀一中村 正久甘粕 知一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 1984 巻 29 号 p. 38-47

詳細
抄録

重ね板ばねの疲れ寿命を低下させる要因の一つに, リーフ間の接触と繰返し曲げ応力に起因するフレッティング疲れがある。
本研究では, 通常の疲れ試験機を用いたばね鋼小型試験片の共材およびスペーサ材 (デルリン) による簡便なフレッティング疲れ試験を行った。 その結果, 以下のことがわかった。
(1) SUP9鋼の通常疲れおよびフレッティング疲れの疲れ限度は, それぞれ620MPaおよび320Hpaでありフレッティングによる疲れ限度および疲れ寿命の低下は著しい。
(2) フレッティング疲れき裂の伝ぱ過程は, 接触表面で強い塑性変形の影響を受けて発生・伝ぱするデブリ状き裂, 接触による応力集中の影響を強く受け伝ぱする第1段階き裂, 応力集中の程度が低くなり第1段階き裂から次の第2段階き裂への遷移領域に相当する第1'段階き裂, および応力集中部から抜け出して伝ぱする第2段階き裂に特徴づけられる。
(3) ブリッジ材が共材である場合の摩擦係数は, 相対すべり振幅にともない増大し, 約0.6近傍で飽和する傾向がある。
(4) スペーサとしてブリッジ材にデルリンを挿入した場合の寿命改善は顕著で, 疲れ寿命は通常疲れの場合のそれにほぼ等しい。

著者関連情報
© 日本ばね学会
前の記事 次の記事
feedback
Top