弁ばね用として広く用いられているSi-Cr鋼オイルテンパー線を用い疲労試験を行い, その破面観察, 疲労寿命と非金属介在物との関係およびSi-Cr鋼オイルテンパー線の欠陥感受性について調査を行った. その結果, 107回までの繰返し数で疲労破壊が起こらなくても, 108回まで試験すると疲労破壊が起こること, 比較的疲労寿命の長い場合には, せん断応力面に沿ってマイクロクラックが発生したのち, 主応力に対して垂直に疲労破壊が進むこと, 疲労寿命の向上には介在物のサイズを小さくすることが必要なことがわかった.